日本の英語教育は、読解力に最も時間が割かれているということもあって、ある程度の文章を読むことが出来たとしても、外国の人に話しかけられても何を言っているのかわからないという、聞く力=リスニング力が日本人の場合は欠如していることが多々あります。このリスニング力が欠如しているということが、日本の英語教育が実情的ではないと批判される原因の一つでもありますが、実際にヒアリングがうまくいかないという人がかなり多くいます。また、なんとかリスニング力を向上したいと思っている人も多くいます。そこで、リスニング力を伸ばすためにはどのような方法があるのかということを簡単にご説明をしたいと思います。

リスニングが苦手な原因

リスニングが苦手な原因とは、大体次の3つです。
・根本的に語彙力や文法力が欠如している
・自分の知っている単語や表現だが、聞き取れない
・聞き取れるけれども、話すスピードに理解が追い付かない
というものです。一番初めの原因については、まずしっかり勉強をしてもらうということになりますが、2番目と3番目の原因については、今リスニングしている英語を日本語で翻訳をするということを頭の中でやっているということによるものです。例えば私たち日本人は日本人同士で普通に話をしていますよね。それが普通のコミュニケーションのスタイルです。また、海外に行っても、食事をした後にお店を出るときに「ありがとう」とはいいませんよね。普通はThank Youというと思いますが、その時に頭の中でありがとうとは翻訳しないと思うのです。自然にThank Youと言っていると思うんですよね。これがコミュニケーションの基本なんです。つまり、英語で話すときは英語でやり取りをするということです。ここでのポイントは英語を音として聞き取っているのか、そして英語で意味を理解しているかということです。この2つのポイントを押さえていけば、リスニング力は向上します。

リスニング力向上のトレーニング

リスニングを向上させるためには、まずリスニング素材を用意します。リスニング素材を選ぶポイントとしては難しいものではなく、ある程度分かるレベルの素材を用意しましょう。音声スピードはナチュラルイングリッシュレベルです。なお、英語の後日本語訳があるような素材を使ってはいけません。このリスニング力のトレーニングの目的は英語で英語を理解することにあるからです。次にリスニングをします。1度聞いてみて、どんなことを言っていたのか考えてみましょう。これを数回まず繰り返してみてください。ここでのトレーニングに必要なことはというと、耳で音を拾うということですね。とにかくどういう単語が話されているのかということに集中します。言っていることの意味を理解しようとすることはここでは不要です。ここでやっとテキストを広げます。まずやることとしては、リスニング素材を聞きながら、どういうことが話されているのかという意味をチェックします。この場合自分が当初イメージしていたこととギャップがあるはずですので、そういうことを意識しながらまずはテキストを読んでみてください。次にもう一度テキストをリスニング素材を聞きながら目を通してもらうことになりますが、ここではしてほしいことは、聞き取れなかった単語とその音を一致させることです。聞き取れない単語が実際にはどのような発音になっているのかということをここで耳に焼き付けるようにしましょう。ここはリスニングをするうえで最も大事なトレーニングになりますので、耳と頭が認識できるようになるまで繰り返しやってみてください。このトレーニングの仕上げは音読です。音読のポイントとしては、意味をイメージすることと、音を意識するということです。特に音の場合英語は連音が多用されます。例えばDid youという場合にディッドゥユーとは発音しませんよね。二つの言葉をつなげて発音をしますので、そういうことも意識して音読をしてみるようにしましょう。最初はテキストを見て、その後はテキストを見ないで音読してみてください。

以上のトレーニングをまず1か月やってみましょう。継続していればかなり実力が付くと思いますので、ぜひ挑戦してみてください。